読書録:あなたの言葉を
投稿:2024年6月21日|記事URL
こんにちは。
「あなたの言葉を」という本を読みました。
小説家である辻村深月さんのエッセイです。
内容は、辻村さんが自身の体験や読者からの手紙を通して
感じた気持ちを言葉で表現する、そのプロセスが丁寧に描かれています。
確かにそうだよなあと思ったのは、
感じた気持ちをすぐに言葉で表現できるかというとそうではないこと。
簡単なようで難しいなあと思います。
気持ちにぴたっと合う言葉ってなかなか見つからないなあと。
あと、「なぜこう感じなかったのだろう」と感じなかった気持ちに
スポットライトを当ててみませんかというニュアンスの文章がありました。
感じた気持ちが全てではなくて、感じなかった(感じられなかった)気持ちも
大切なことってあるなと思いました。
そんなことを考えながら、
あれ私は普段どう気持ちを表現しているんだっけ?と振り返ってみると、
日常の会話では自分の気持ちに目を向けるって意外に少ないと思いました。
熟考するよりもりテンポが優先というか、喜怒哀楽を感じてはいるけれども、
ぱぱっと割り切るというか。
日常でいつも自分の気持ちに目を向けていたら疲れてしまうかもしれませんね。
浅さや軽さが心地良いという時もあります。
一方で「なぜこう感じたのか」と思いを巡らせると発見があることも。
これが悲しくて怒っていたんだ!とか、疲れていただけだな~とか。
そしてそういうことかと腑に落ちると感情のおさまりが良かったりもします。
(どうにもこうにもおさまりません!という時もありますが)
思いの巡らし方って「軽く浅く」あれば「重く深く」もあるんだなと思います。
どちらがいいということではないですが。
きっとその人に合うちょうどいい浅さ・深さがあるのかなと思いました。